データエンジニアの仕事内容とは?
どのシステム開発でもいえることですが、無計画のまま構築を進めてしまうと機能追加や機能拡張が入ったときに大幅なシステム変更が発生したり、メンテナンス性が悪くなったり、必要なデータが取り出せなくなったりと様々な問題が発生してしまいます。データ基盤やデータ分析環境においてもいかに正確な設計がされているかが重要です。基盤環境全体のアーキテクチャ設計も必要不可欠です。システムの利用目的を正確に把握し、データの構造や処理の流れに問題が生じないように設計します。採用する技術やOSS、サービスに関しては、チーム内の経験豊富なデータエンジニアが担当することが多いようです。それだけ設計の中でも重要な要素であり、そのような設計を任せられるようになることを目標にして日々仕事をしている人も少なくありません。
仕様や要件が固まったら実際にデータ基盤システムの開発をスタートします。プロジェクトの規模によっては設計と開発の両方を一人のデータエンジニアが担当することもあります。インフラやデータベースなどを構築し、データの収集や蓄積するプログラムを開発します。データは貯めるだけでは何の意味もありません。データを使用するデータサイエンティストなどがデータを取り出しやすいようにアプリケーションを開発し、データの可視化も必要になります。TableauなどのBIツールを使ってKPIのレポートを出力したり分析環境を構築することもあります。なお、データ分析のエンジニアが不足している場合には、データエンジニアではなくデータサイエンティストがこのようなシステム開発をしながらデータ分析をしているケースもあります。
データ基盤システムは定期的に新しいデータが入ってきたり、更新されたりします。システムが正常に動作するように保守や運用に関わる仕事もデータエンジニアの業務内容です。システムログを監視したり、何かエラーが出ているときはその原因を調査し、対処します。データの容量が増えてくるとパフォーマンスが低下することがありますので、そのような場合は高速化のためのチューニングを行うこともあります。大量のデータを扱うには高い技術や知識が必要です。そうしたスキルがあるエンジニアは希少価値の高い人材です。運用が始まると利用者から新しい機能追加の要望が出ることがあります。もちろん、これもデータエンジニアの仕事ですので、利用者の声をしっかり聞いて、使いやすいように改善していくことも重要なミッションです。
Pythonを使う仕事の一つがデータエンジニアですが、データエンジニアになるにはPython以外にも様々な知識が必要です。データ設計から開発構築、運用もデータエンジニアの業務範囲ですので、プログラミングスキル、データベース設計、インフラ・クラウドの知識と、幅広い分野に精通しなければならず、どれも習得の難易度が高いスキルばかりです。ここでは、データエンジニアが必ず習得しなければならない必須スキルを紹介します。
データエンジニアを目指すにあたり、気になるのは年収相場かと思います。ビッグデータの活用に注目が集まる中、専門性の高いデータエンジニアの需要は右肩上がりで、年収もシステムエンジニアの相場と比較して約1.5倍と国内では高水準です。ただし、海外水準と比較するとまだまだという現実は否めません。とはいえ、データエンジニアのニーズはますます高まることが予測され、年収相場もまだ上がる可能性はあります。また、フリーランスで稼ぐという道もあります。
Pythonを使うのはデータエンジニアだけではありません。Pythonは汎用性の高さが特徴で様々な開発に使われており、Pythonにできることはたくさんあります。まず、ライブラリの豊富さから「AI開発ならPython」といわれるほどAI開発に向いています。また、データ分析やマーケティング、情報収集のためのスクレイピングツール開発にもよく使われます。さらにサイト制作やアプリ開発、ゲーム開発にも採用されています。